こんにちは、仲町歯科医院の義永昌也です。
レントゲンについて、安全なものなのか、何度も取る必要があるのか等のご質問がありました。そこで、レントゲンの必要性と安全性についてご説明していきます。
1.レントゲンの必要性
お口の中の疾患は、直接見ることのできない場所で起きている事がほとんどです。例えば、
・歯と歯の間
・詰め物やかぶせ物の下
・歯の根っこの周り
・顎の骨 など
歯周病が典型的ですが、無症状で悪化し、かなり進行してから自覚症状が起きることもあります。定期的に撮影することで、見えない部分の疾患の早期発見や状態確認をしています。
2.レントゲンの種類
当院で撮影しているレントゲンは3種類(パノラマ、デンタル、CT)あり、それぞれ確認できる事や撮る目的が異なります。
【パノラマ】
おおよその頻度…年に1回
あご全体を俯瞰的にチェックする全ての歯のむし歯、歯周病の状況、親知らずの有無や生え方、顎の骨の状況、これまでの治療についてなど、お口全体に関して多くの情報が詰まっています。
また、子供の場合はこれから生えてくる歯も確認出来るので、歯の生え変わりや数の異常についても早期に発見ができます。
お口の全体像を映し出す「パノラマ」は、治療を始める前の検査や診断に必要な資料です。基本的に1年ごとに撮影していきます。
【デンタル】
ある特定の部位を精密に撮影する方法です。
デンタル撮影は、小さなフィルムをお口の中に入れて撮影します。
エンビスタジャパン株式会社ホームページより(https://www.envistaco.jp/)
虫歯の有無や大きさ、詰め物や被せ物と歯の適合状態、歯の根っこの炎症などについてパノラマよりもさらに詳しく確認することが可能です。
むし歯の削る治療が必要な方や、歯周病の進行が高い方は複数枚を撮影しています。また、治療の精度・効果を確認するために、治療途中や治療後で撮影することもあります(保険のルール上、撮影が定められているものもあります)
【CT】
お口の中の状態を二次元で表すパノラマやデンタルとは異なり、三次元の立体像で観察可能な撮影法です。
深い親知らずの抜歯や、難しい根管治療の際に撮影することがあります
3.被ばく量と安全性
「レントゲン」「放射線」と聞くと、身体への影響に不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
放射線はレントゲン撮影だけに使用されるものではなく自然界にも存在しており、空気や大地から年間で約2.4ミリシーベルトの被爆をしています。それに対して、歯科におけるレントゲンの被ばく量は、約0.01~0.1ミリシーベルト程度で、日常生活における被ばく量よりも極めて低いことがわかります。
さらに歯科医院でのレントゲン撮影時には多くの歯科医院で防護衣を身につけていただきますし、撮影部位もお口の周りと限られていることから、身体への影響は限りなく少ないと考えられます。
むし歯を早期発見する上で、レントゲンはとても有効な検査方法です。みなさんの健康を第一に考え、レントゲン撮影が必要かどうかは責任をもって判断していますので、安心して検査を受けてくださいね。
4.まとめ
・歯科の疾患は見えない部分で発生する事が多く、さらに自覚症状が起きにくいことが多いです
・症状はなくても、定期的に状態確認や早期発見のために撮影しています
・パノラマ、デンタル、CTの3種類があります
・治療前や治療後に、複数枚を撮影することがあります
・自然から受ける放射線量に比べ、歯科で受ける量は少なく、部位も限られています
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。